2014年12月19日金曜日

がんはどうやって発生するのか、知っていますか?

 私が大学の医学の授業で研究した内容です! 少しでも見て頂いた方の参考になればと思います^^

「がんはどうやって発生するのか」

 細胞のがん化には、3つのサイクルがあります。1つ目は「テロメラーゼの暴走」2つ目は「細胞周期チェックポイントの機能不全」3つ目は「ナチュラル・キラー細胞の劣勢化」です。


1.テロメラーゼの暴走
 正常な体細胞は体細胞分裂を行なう際、 テロメアというDNA 両末端に存在する部分を消耗させながら増えていきます。テロメアとは、体細胞の細胞分裂回数の限界を定めるもので、このテロメアが消耗すると老化が引き起こり、徐々に体細胞分裂が鈍化、ついには停止し、細胞は寿命を迎えます。





 しかし、 がん化した体細胞は、このテロメアという部分を消耗すること無く、無限に分裂していくのです。がん細胞は、発がん性物質や放射線などによってDNAが損傷を受けることによって、普通の細胞では活性化していないテロメラーゼと呼ばれるテロメア合成酵素が活性化されており、この酵素がテロメアを消耗せず維持させてしまっているのです。その結果、体細胞分裂回数の限界がなくなり、無限に細胞分裂を繰り返し始めます。このテロメアの消耗がテロメラーゼによって修復されることによって細胞のガン化へのフラッグ1に繋がります。しかし、これだけではガンへはなりません。


2.細胞周期チェックポイントの機能不全
 私たちの体には細胞のがん化を阻止する機構があります。それは、各細胞の持つ、体細胞分裂を促進・抑制する「細胞周期チェックポイント」という機構です。細胞周期チェックポイントとは、体細胞は細胞分裂を行なう際に近接細胞から分裂促進物質と分裂抑制物質を受け取って機能しています。その物質を受け取ると促進信号や抑制信号が出され、細胞分裂を促進させる「がん原遺伝子」と細胞分裂を抑制させる「がん抑制遺伝子」に伝えられます。


これらは異常な増殖をしないために互いに牽制関係にあり、細胞の分裂をコントロールしています。しかし、放射線や発がん性物質によってDNAに損傷を受け、がん原遺伝子が暴走してしまった場合、促進信号が激しく出され、細胞が異常分裂をしようとします。このとき、がん抑制遺伝子が抑制信号を出して、細胞分裂を抑制するので異常な分裂は起こりませんが、もしがん抑制遺伝子にも異常をきたした場合、細胞は暴走し、異常分裂を始めます。そして、この時フラッグ1の「テロメラーゼの暴走」がおこってしまっていた場合。細胞は無限に、そして急速に増殖し周囲の組織を破壊しながらがん化していくのです。しかし、「細胞周期チェックポイント」はそんな柔な機構ではありません。細胞周期チェックポイントには、もう一つの役割があるのです。細胞周期チェックポイントは、細胞が体細胞分裂を行なう時、その分裂途中で異常が発生していないか監視する機構であり、DNA に損傷や複製阻害が見られた場合は、分裂を停止し、 修復する。また損傷がひどい場合はアポトーシス(細胞を自殺させる)を促します。

この細胞周期チェックを行なっているタンパク質があります。それはP53 タンパク質です。この P53タンパク質は、遺伝子異常の検出・修正、修正不可能ならアポトーシスを指令するタンパク質です。しかし、残念ながら、このタンパク質にも異常が生じると異常は修復されず、フラッグ2の細胞のがん化へ繋がります。そして、寿命を迎えることの無い無限増殖を始め、周囲の組織を破壊しながら病巣を形成し始めます。


3.「ナチュラル・キラー細胞の劣勢化」
 「テロメラーゼの暴走」のフラッグ1と「細胞周期チェックポイントの機能不全」のフラッグ2が同時に起こってしまった時に、最後の砦となり、がん細胞の死滅させる機構があります。その機構 が「ナチュラル・キラー細胞」です。ナチュラル・キラー細胞は、細菌やウイルス、が ん細胞など、人体にとって危険なものを攻撃する生まれながらに生体に備わっている自然免疫系の細胞です。



健康な人でも、毎日 3000~6000 個もの細胞ががん化しているのですが、このがん細胞が病巣を形成する前に死滅するのも、ナチュラル・キラー細胞のお陰なのです。しかし、このナチュラル・キラー細胞の免疫力よりがん細胞の増殖力のほうが、優位になったとき、いよいよがん細胞は邪魔になる存在がいなくなったことを良いことに、あなたの体を蝕んでいくことになるのです。


 どうでしたか? がんの発生の仕組みを意外に知らない人が結構いたのではないでしょうか? がんは発がん性物質や放射線などによって発生し、3つのプロセスが全て揃わないと発生しません。結局の所、がん細胞が私たちの免疫機能より優位に立たなければ、がん化が発生しても大丈夫なんです。がん細胞を自分の体の免疫機能より優位に立たせないために、日頃から健康を意識して過ごし、また健康的な規則正しい生活をして常に免疫力を高めておくことが、がんにならないための最善の方法といえるでしょう。これを見てくれた方々は、がんの発生の仕方と正しい知識を知った上で、これからがんに対する健康を意識して、過ごしてみてはいかがでしょうか^^


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参考資料
1. ぜんぶわかる最先端医療
 監督: 菊池眞 発行者: 風早健史 成美堂出版 2013年8月20日発行
2. ゲノムサイエンスと人間 垣谷宏子 2013年8月発行
3. テロメアとがん細胞の不老不死性|研究内容|がん化学療法センター (http://www.jfcr.or.jp/chemotherapy/department/molecular_biotherapy/research/001.html)
4. 細胞周期チェックポイント ‒ Wikipedia (http://ja.wikipedia.org/wiki/細胞周期チェックポイント)
5. がん攻撃の主役を担う“NK細胞”|日経ビジネスOnline Special (http://special.nikkeibp.co.jp/as/health/ank2/)
6. 肺がんの基礎知識|東京慈恵会医科大学附属柏病院 (http://www.jikei.ac.jp/hospital/kashiwa/sinryo/40w_case_03_1.html)
7. がんを学ぶ ひとりのがんに、みんなの力を ¦ ファイザー (http://ganclass.jp/)

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